智の木協会・「木」への思い入れリレー随筆

智の木協会メンバーによる「木」への思い入れリレー随筆です

智の木協会 「木」への思い入れリレー随筆 第七回:智の木協会 事務局長  大河内 基夫 「ホップはビールのために」

植物は、様々な形で人類に利用されている。一つの栽培植物でも、多くの場合、複数の用途がある。例えば、木綿の繊維を得るための綿でも、その実から食料油を絞っている。しかし、ビールの苦味付けに使われるホップは、ただビールのためだけに栽培されている…

智の木協会・「木」への思い入れリレー随筆 第六回:京都薬科大学 名誉教授 吉川雅之  「”チャ”大地のささやきを聴く」

チャは、ツバキ科ツバキ属の常緑多年生木本で、学名(ラテン語名)をCamellia sinensisと言います。葉が小さく樹高が2〜3mほどの灌木で耐寒性の強い中国種と、葉が大きく8〜15mにもなる喬木のアッサム種が存在します。原産地としては、長江、メコン川上…

智の木協会・「木」への思い入れリレー随筆 第五回:智の木協会 理事 大塩 裕陸 「椎の実の味を知っていますか」

私は東京の板橋区で幼少期から25歳まで育ちました。今では地下鉄有楽町線を利用すれば池袋まで10分足らずの便利な土地ですが、当時は東上線と西武池袋線に挟まれた田園地帯でした。「武蔵野の影 消え失せて 人家続きの 上板橋 ・・・・・」これは母校の…

第四回:智の木協会 理事 吉田 茂男 「ユーカリの薫りに包まれた世界」

1979年4月7日(土)は私と家族にとってオーストラリア体験の初日であったため、いまも鮮烈なビジュアル画像として私たちの記憶に残っている。成田空港からのカンタス航空シドニー行き夜行便は、約8時間後に明け染めた空の下に広がるシドニー国際空港に着陸し…

第三回:智の木協会 副理事長 黒田 錦吾 「ガーデンオフィスへの思い」

私達は今日、豊かさと便利さを手に入れましたが、それと引換えに多くの自然や動物、人間性までも無くしそうになっています。そのことに漸く気付き、各国の行政、民間レベルで環境保護ための啓蒙活動、保護活動、国際間の合意が地球規模で進められていますが…

第二回:智の木協会 代表幹事 小林 昭雄 「林檎によせる想い」

信濃の春はネコヤナギがまろやかなビロード状の芽を膨らませ、庭先で福寿草が黄色の丸い芽をのぞかせる時から始まる。やがて、梅が咲き、桃が続く。そして、4月中旬、桜の季節となり、しばらくして、リンゴの花が追いかける。遠望すれば、山懐が深く黄昏(…

第一回:智の木協会 理事長 豊田政男 「咲き誇る「桜」か,散りゆく「紅葉」か」

「自然」,これは響きの言い言葉で,「自然を大切に」がしばしば謳われるものの,あまりにも趣のない答えが多いのも確かである.地球がサステイナブルであるために,我々に課された宿題も多いが,それにもまして,自然の力の偉大さは,自然を破壊すると言わ…